長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-8月号」産後うつ病

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コラム「LOUNGE-8月号」産後うつ病

(2015年08月03日掲載)
出産後、抑うつ的になる女性は100人のうち10〜15人とされています。抑うつ状態になると、気分の落ち込みやさまざまな症状が少なくとも2週間は続きます。こうした「産後うつ」の症状には次のようなものがあります。不安になったりイライラしたりする。子どもが寝ているときですら眠れない。食欲がわかない(もしくは、気晴らしのため暴食する)。申し訳ないと感じ、マイナス思考になる。物事を楽しむことができない。生きていてもしょうがないと感じる。育児や身の回りのことができない、などです。
多くの場合、産後うつ病は出産後1〜2ヶ月のうちに発症します。数ヶ月経ってから発症することもあります。妊娠中の「うつ」が出産後も続く場合もあります。産後うつ病は数週間から数ヶ月間続きます。産後うつ病の原因として、うつ病に罹ったことや、こころの健康に問題があったことがある。妊娠中、うつ病や不安障害になった。まわりからのサポートが得られない。配偶者(パートナー)との別離などストレスを感じる出来事が最近あった、などです。「産後うつ」の予防には、がんばりすぎて疲れ果ててしまうことがないようにし、妊娠中の女性や新米ママと親しくする。話し相手を見つけるか、母親学級などに参加することが大切です。
治療法は「うつ」の重症度によって異なります。自分でできることとして次のようなことがあります。困っていることを、配偶者(パートナー)や家族、友人、保健師、かかりつけ医などに話してみる。昼夜を問わず、できるだけ睡眠や休息を取る。規則正しく食事をとる。楽しめる時間やリラックスできる時間を持つようにする。地域にある新米ママや産後の女性のためのサポート・グループに参加する。家事や買い物、子供の世話を他の人に助けてもらう。運動する。自分や配偶者(パートナー)、親しい友人や家族を責めない、などです。これだけではよくならないようであれば、心理療法が有効かもしれません。さらに重症の場合は、薬物治療が必要となります。
産後うつ病のほとんどは治療を受けなくても3〜6ヶ月でよくなります。しかかし、産後うつ病にかかった女性4人にひとりは、赤ちゃんが1歳になった時点で、まだ抑うつ状態にあります。「うつ」の症状のせいで赤ちゃんや夫(パートナー)との関係が悪くなることがあります。また、赤ちゃんの発達に影響を与えることもあります。「うつ」の期間が短いほど他への影響も少なくて済みますので、治療を受けるのは大切なことです。
(「日本語版こころの健康ガイド」より抜粋)

―待合室で読める本から―

「おとなの発達症のための医療系支援のヒント」(星和書店) 今村 明 著
発達症をもつ人に対しては、一人一人に個別の支援プランが必要であり、医療者も一人一人がそれぞれの診断用・治療用ツールを持つことが望まれます。発達症をもつ人を診療するにあたって、極めて役に立つヒントが記載されています。
「医学常識は嘘だらけ 分子生物学が明かす生命の法則」(祥伝社) 三石 厳 著
従来の医学常識、健康常識の迷妄を打破し、分子生物学に基づく真の医学的アプローチによる健康への道を拓いた三石理論の最重要部分を、網羅的かつ解り易く解説しています。
「ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く」(講談社) 生田 哲 著
著者は「飲みすぎはムダ」は誤りで、副作用もないとし、「1g×1日4回」で感染症、心筋梗塞、脳梗塞も防ぐことが出来ると述べます。米国医学界で1度は否定されて、完全復活した「健康法」の驚くべき効能と使い方が示されています。
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