長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-9月号」妊娠中のこころの健康

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コラム「LOUNGE-9月号」妊娠中のこころの健康

(2016年09月15日掲載)
妊娠中は多くの女性はこころの健康を良好に保てます。しかし、妊娠した時点ですでに精神疾患を患っている方や、過去にこころの健康に問題があったことを心配する方もおられます。そのような経験のある人は、妊娠中あるいは出産後に、精神疾患が再発することを恐れます。妊娠して初めてこころの健康に問題がみられるケースもあります。残念ながら、妊娠してこころの健康に問題がなくなるわけではありません。また、妊娠時に薬の服用を止めた女性は、病気が再発するリスクが高いです。たとえば、妊娠早期に抗うつ剤の服用を止めた女性10人のうち、7人は状態が悪化します。うつ病と不安障害は、妊娠中に最も多くみられるこころの健康の問題です。100人の妊婦のうち、10〜15人が患ってしまいます。妊娠中も、妊娠していない時と同様に様々なこころの健康の問題に直面することがあるでしょう。
妊娠中の精神疾患の症状は、通常時の症状と同じか、中には妊娠そのものに起因する、妊婦特有の症状もあります。たとえば、妊娠やお腹の赤ちゃんを心配し過ぎたり、ネガティブな気持ちになるかもしれません。特に体重増加やボディラインの崩れを受け入れ難く感じることもあり、これは過去に摂食障害を患ったことがある女性に顕著に表れます。妊娠そのものによって起こる症状は精神疾患の症状と似ているため、間違いやすいこともあります。たとえば、睡眠障害や無気力というのは、妊娠でもうつ病でも共通にみられる症状です。人によっては、妊娠による変化や不安定な状態を受け入れられずに戸惑ってしまうでしょう。妊娠は最高に幸福な時間だと感じる人もいれば、妊娠に対して、かなり複雑な、または否定的な気持ちを持つ人もいます。
こころの健康が妊娠中に安定しているとしても、妊娠中は専門家からのアドバイスを受けるとよいでしょう。精神疾患を患ったことのある女性は、出産後に症状が悪化するリスクが高まります。精神保健の専門家が、適したケアや治療について一緒に考えてくれます。地域の助産師、産科医、訪問保健師やかかりつけ医と協力し、自分に適したケアを見つけましょう。また、かかりつけ医や精神科医と薬の服用について相談するのはとても重要です。ご自身とお腹の赤ちゃんにとって何が最良の方法なのかを判断する際の情報となるからです。薬の服用を続けるか、変更するか、または中止するのかを判断することが肝要です。可能ならば妊娠する前に医師に相談することが望ましいですが、予期せず妊娠することも多いです。その場合には、妊娠が分かったらできるだけ早く医師に相談するべきです。医師の指示がないかぎり、薬の服用は突然止めないようにしましょう。治療を急に止めると、早期に再発するリスクがありますし、副作用が出る可能性もあります。妊娠中も薬の服用を続けるのがふさわしい場合もあります。ちなみに、サポートの中心になるのは、配偶者(パートナー)や家族、友人です。一番身近にいる人がこころの健康の問題について知っているのはとても助かります。あなたの調子が悪くなりそうな場合にどのような兆候がみられるかについて伝えておくことは、とても大切なことです。
(「日本語版こころの健康ガイド」より抜粋)

―待合室で読める本から―

「Dr.クロワッサン 病気にならない食べ方 (マガジンハウスムック)」(マガジンハウス)
忙しいからこそ、きちんと食べる工夫が必要です。サプリに頼らなくても、ジムにわざわざ通わなくても、毎日の食事を変えるだけで、大きな病気を防ぐことはできるのです。
「Dr.クロワッサン スーパーホルモンが病気を治す(マガジンハウスムック)」(マガジンハウス)
ホルモンがちゃんと分泌されるために、一番に気をつけたいのが食生活。本書では二人の医師が、ストレスで疲れた副腎を元気にするために、食生活での5つのステップ別に、何をどう食べればよいのかを紹介しています。
「Dr.クロワッサン やっぱり、猫は不思議(マガジンハウスムック)」(マガジンハウス)
猫の写真といえば岩合光昭さん。どうしてそんなに可愛く撮ることができるのかについて、世界中の猫写真と共に、撮影秘話が照会されています。猫と一緒に暮らすための知恵や健康管理の情報も満載です。
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