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コラム「LOUNGE-5月号」書く瞑想(ジャーナリング)について

(2025年5月12日掲載)

 新年度が始まり、1か月が経ちました。新しい環境に身を置き、日々覚えることやすることに追われている方、お休みの日も仕事の事や心配事が頭から離れず切り替えられない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方におすすめなのが、“ジャーナリング”です。

 ジャーナリングとは、頭に浮かぶ自分の考えや感情を言葉にしてノートに書き出すことです。思いつくままに“今、このとき”の感情に焦点を当てて書く、マインドフルネスの要素があり、書く瞑想とも呼ばれています。通常の瞑想と違うのは、自分の思考・パターン・癖が「見える化」「可視化」され、それらを取り扱いやすくなるメリットがあります。また、思考と感情が整理され、不安やストレスが軽減される、感情を表現することでカタルシス効果が得られる、自己理解が深まるなどの効果が期待できます。

ジャーナリングのポイント

 ジャーナリングの効果には、個人差があります。不安や考え事がぐるぐる頭をめぐる方、本音を口に出すことが苦手な方に向いている方法だと考えられています。しかし、過去にトラウマを抱えている人、不安障害やうつ病の診断をうけている人は、ジャーナリングによって不安な感情が起こりやすくなったり、ネガティブな考え方を増幅させてしまったりすることがあるため、状況によっては不向きであると考えられます。不安や気分の落ち込みが大きいときには、まずは心や体を休めることを大切にして、冷静な思考をとりもどしてから自分の心の在り方を見直すために、ジャーナリングに取り組んでみるとよいでしょう。

(心理 A K 記)

―待合室で読める本から―

「書いて整える1分間瞑想ノート」 吉田 昌夫著  フォレスト出版
1分間集中して頭の中をノートに書き出すことで、瞑想と同じもしくはそれ以上の効果を得られるのが「書く瞑想」です。「目を閉じて行う瞑想」ではできない記録に残す、振り返る、視覚的に変化に気づける、自分の思考を外部化するなど、様々なメリットがあります。
「マンガ ネコでもできる! 認知行動療法」大野 裕 ねこまき著  SBクリエイティブ
本書では、認知行動療法を応用して、生きづらさを感じている人がラクになり前向きになる方法を、認知行動療法の第一人者、精神科医・大野裕先生が解説。さらに、人気漫画家のねこまきさんの漫画でわかりやすく紹介する一冊です。
「人生を充たす本(クロワッサン)」 クロワッサン編集部  マガジンハウス
本は、私たちのさまざまな瞬間に寄り添い、勇気を与えるだけでなく、己と向き合う時間も与えてくれるものです。読んだあと、世界の色合いが違って見える、そんな体験をもたらす本の世界が紹介されています。
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