前回のコラムでは、脳疲労についてとりあげました。今回は、メンタル(精神面)の疲労についてとりあげようと思います。
メンタルの疲労も、結局は脳の疲労ということになります。大脳のなかでも、理性や思考に深く関わる大脳新皮質は、時と場所を考えて感情を表現する際に働きます。そう考えると、社会生活のほとんどの場面では大脳新皮質を多用することになります。その疲れをとるためには、大脳のなかにある大脳辺縁系(感情や本能に深く関わる)を開放して、やりたいことをやり、やりたくないことをやらない。これに尽きると思います。言葉にすると簡単なようですが、多くの人は、「やるべき」「やっておいたほうがいい」という価値観で行動しています。そのことを自覚し、大脳辺縁系を活性化させることがメンタルヘルスのポイントです。大脳辺縁系を活性化させるポイントを、いくつかご紹介します。
〇感情を表出する時間を持つ
気持ちを動かされる劇や映画を見に行く。素敵な作品を見て涙を流す、お笑いを見て笑う、ホラー作品をみて怖がるなど、いろんな感情を表に出す機会を持ちましょう。
〇何も考えない時間をつくる
デスクワーク中は大脳新皮質がフル稼働中。その状態を意識的にオフすることはなかなか難しいもの。そこで、体を動かすことがお勧めです。走ったり泳いだりしているときは、基本的に理性的なことはあまり考えられません。
〇「コスパ」「タイパ」という概念を捨てる
コスパなど、いかに効率よく物事を運ぶかを考えるのは、とても理性的な、大脳新皮質の仕事です。一方、“推し活”など、好きな人を応援したいという気持ちは、効率度外視。自分の“好き”に忠実に、時間やお金を使ってみることも、癒しにつながります。
〇ルーティンをもつ
朝のルーティンなど、大体の行動の流れを決めてしまうことで、大脳新皮質を余計に働かせなくて済みます。決まった流れに沿って動くことが当たり前になってくると、考える前に体が流れを覚えてしまい、脳に負荷をかけずに朝の支度が整います。着る服を1つ〜3つほどにパターン化し、コーディネートを考える時間や手間を省くのも役立ちます。
〇何もしたくない気持ちを優先する
疲れているときは何もやりたくない気分になりますが、多くの人は何かしなきゃと思いがちです。そんな時は、“何かしなきゃ”を一旦わきに置いて、何もせずベッドでじっとひたすら休んでみること。“何かしたい”という気持ちが湧いてくるまで、何もせず気長に待つということも大切です。
〇ときには本能に従う
「背徳グルメ」と呼ばれるような、生クリームたっぷりのスイーツや背脂大盛りのラーメンは、大体は高カロリーで栄養も偏っているので体に良いとは言えないものが多いかと思います。ただ、カロリー、栄養を気にせずに背徳グルメを思い切り食べるという行為は、「ただ、食べたいから食べる」という本能によるものだと思います。そういった瞬間は気持ちが解放され、ストレスリリースにつながります。しょっちゅう食べるのは問題ですが、時には本能に従ってみるのもいいかもしれません。
今回は、メンタル(精神面)の疲れの解消ポイントについてご紹介しました。年末年始のお休み期間が明け、新年の仕事モードに切り替える際には、理性や思考、効率を上げる方向に頭が傾きがちになるかと思います。そんな時こそ、一歩立ち止まって自分の心の声を優先する時間を意識してとっていきたいものですね
今回の内容は、待合室でも読めるTarzan〜休む技術〜(R7年8月28日号)から一部抜粋しています。様々な疲労とその対処法について書かれた内容となっているので、待合の間に、ぜひご覧ください。
(心理 A K 記)






