長崎の心療内科 もとやま心のクリニック コラム「LOUNGE-7月号」バウンダリーについて①

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コラム「LOUNGE-7月号」バウンダリーについて①

(2026年6月29日掲載)

 バウンダリーとは、心理学において「自分と他者を区別し、自己を保つための境界線」と定義されます。これは、自分の感情、思考、価値観、そして心身の健康を守るために必要な「心の仕切り線」とも言えます。「境界線」は、関わる相手に応じて自分で自由にデザインすることができます。ぐっと踏み込んでくる人、勝手に決めつける人や、断りなく体に触れてくる人に対して、私たちはバウンダリーを分厚く強固にすることで自分を守ります。逆に、安心できる相手と一緒なら、私たちのバウンダリーはやわらかなものになります。強固な境界を引かなくても自分が守られている、尊重されている、そういった安心があるからです。
 バウンダリーが曖昧な状態だと、相手の要求を断れなかったり、他人に振り回されたり、自分の意見を言えずに我慢したりすることが増えがちです。一方で、相手に自分の価値観を押し付ける場合もあります。その結果、精神的な負担が増し、自己肯定感が低下し、心身のバランスを崩してしまうこともあります。健全なバウンダリーを持つことが、自分自身を尊重し、大切にすることにつながります。
 バウンダリーには、「からだ」「感情・意思」「責任」「時間」「お金」の5種類があります。

バウンダリーの種類 width=

 以上、5つのバウンダリーについて紹介しました。困っているときや辛いことがあるときに、このバウンダリーという考え方を意識することで気持ちを切り替え、今後どうしていくかを前向きに考えやすくなるかと思います。まずは、境界を越えられていること、超えていることを自覚すること。境界線を越えられた時に感じる不快感のシグナルをきちんと受け止めることが大切です。ここをないがしろにすると、無意識に境界線を越えられたままになります。「今、私の領域に相手が入っている」「今、私は相手の感情をケアしている」と気づくことができると、意識的に行動がとれます。「ここは境界線を引いて、相手が言っていることは軽く受け流しておこう」「ここは境界線を引いて、相手のことを信頼して放っておこう」など、境界線を意識する癖ができれば、境界線を引くのがうまくなっていきます。境界線の引き方にはそれぞれのクセがあり、これは再学習によって変えることができます。つまり、その時の自分に合った境界線を新しく引きなおすことができるのです。
 次回のコラムでは、バウンダリーのクセを修正する方法についてお伝えしたいと思います。今回のコラムは、「しんどい人間関係に境界線をつくる 心地よいバウンダリー」という本を参考にしています。待合室にもありますので、ぜひ手に取ってご覧ください。

(心理 A K 記)

―待合室で読める本から―

「しんどい人間関係に境界線をつくる 心地いいバウンダリー」 長谷川 俊雄著  日本文芸社
自分と相手の合意のもと「ここからは立ち入らないでね」という境界線を引くことで、安心・安全・尊厳を守る考え方です。本書はこの境界線を引く考え方から、仕事・家庭・人づきあいの中のしんどい場面で実践できる具体的な対処法を紹介します。
「クロワッサン 生活を楽しむ家」クロワッサン編集部  マガジンハウス
人生の折り返しにある50代は、「家」を考える適齢期。これからの人生をどこで、誰と、どう生きていきたいか。その問いとじっくり向き合えば、理想の家も見えてきます。10年後も20年後も、笑顔でいられる住まいを考えます。
「大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした」クルベウ著  ダイヤモンド社
自分よりも他人を優先してしまう方への、人間関係、仕事、恋愛、不器用な生き方を応援してくれる、32の珠玉のエッセイです。誰が読んでも共感できる、語りかけるような文章が疲れた心を癒してくれます。
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