長崎の心療内科 もとやま心のクリニック 強迫性障害

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症状と治療について

強迫性障害

やめたい、意味がないとわかっていながら、ある考えがいつまでも頭から離れない、ある行動を繰り返さないと気が済まない、という強迫症状のために日常生活や社会生活に支障が出てくるような状態です。強迫観念とは、繰り返し、しつこく頭に浮かんできて取り去れない考えや衝動、思考やイメージのことです。取り払おうとしてもなかなか取り払うことができないのがその特徴です。強迫行為とは、強迫観念によって生じた不安や恐怖や不快感を一時的に軽くしようとするための行為で、自分の意志に反して行っている場合が多く、強迫儀式とも呼ばれます。

1.不潔恐怖

汚れや細菌汚染の恐怖から過剰に手洗い・入浴・洗濯を繰り返します。ドアノブや手すりなど不潔だと感じるものを恐れて、触れなくなります。

2.加害恐怖

自分の言動が誰かに危害を加えたかもしれないという不安が心を離れず、後で思い返して悩み、いやな思いをさせなかったか周囲の人に確認します。

3.確認行為

戸締り、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認し、外出もままならず、生活に支障をきたします。

4.儀式行為

自分の決めた手順でものごとを行わないと、恐ろしいことが起きるという不安から、どんな時も同じ手順で仕事や家事をこなそうと無理をしてしまいます。

5.数字へのこだわり

不吉な数字や幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわります。物の配置、対称性などへの執着もあり、必ずそうなっていないと不安になります。

一般に、強迫症状を成り立たせている生物学的治療として薬物治療は有効です。第一選択薬とされているのは、SSRI(フルボキサミンとパロキセチン)と三環系抗うつ薬のうちセロトニン再取り込み阻害作用の強い塩酸クロミプラミンです。学習理論に基づく行動療法も併行して行われます。例えば、儀式的手洗い行為を含む不潔恐怖への治療として、汚いと感じる対象物にあえて触れ(曝露)、一定時間手を洗うことを我慢する(反応妨害)という一連のチャレンジと行動コントロールのプログラムです。これを行うには、明確な動機付けをもち、治療者との協力体制が必要です。この曝露反応妨害法とは、恐れている不安や不快感が発生する状況に自分を意図的にさらすもので、これまでの強迫行動によって不安を下げるというパターンを変えるための方法です。強迫観念が強い場合、薬物治療を開始した後に行動療法を行うとうまくいくことが多いようです。


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