長崎の心療内科 もとやま心のクリニック 認知症

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症状と治療について

認知症

年をとると肉体の機能が衰えるとともに、脳もまた年齢による変化がみられます。その主な症状として物忘れがあります。生活に大きな支障のない物忘れは、加齢現象ですが、進行した物忘れになると「同じ物を何度も買ったり、金銭管理が出来なくなる」「日時や場所が分からなくなる」「ごはんを食べたのをすぐに忘れる」「自分でしまった物の場所を忘れて盗んだと怒りだす」など様々な問題行動がみられてきます。このような場合は、「認知症」が疑われます。ほんのさっきの出来事が思い出せない、新しいことを憶えられない、日付や曜日がわからない、道具や家電製品を上手く使えなくなるなどの困難が生じ、だんだんと以前のように日常生活が上手に送れなくなってきます。

認知症の種類には以下のようなものがあります。

1.アルツハイマー型認知症

最も頻度が高く、脳の中に異常なたんぱく質(βアミロイド)が蓄積することによって、健康な神経細胞が破壊され、脳が次第に委縮する病気です。多くの場合、徐々に症状が出はじめ、もの忘れなどがゆっくりと進行していき、「最近の出来事はすぐに忘れるが、古いことは比較的よく覚えている」という特徴があります。

2.レビー小体型認知症

最初は軽いもの忘れの症状が出ますが、初期のうちから幻覚・幻視(実際は何もないのに「人がいる」「壁に虫が這っている」ように見えるなど)が多く現れます。また、パーキンソン症状(体のこわばり、動作が遅くなる、転倒しやすくなる)が現れやすく、日によって症状の変動が起こりやすいのが特徴です。

3.脳血管性認知症

動脈硬化が原因で、脳梗塞などにより引き起こされる認知症です。脳の病変の場所によって、手足の麻痺、ろれつが回らないなど様々な症状を引き起こします。階段状に悪くなるとか、症状の動揺があるのが特徴です。また、記憶障害より運動障害や感情障害が目立ちます。

内科的な原因を除外し、近隣の脳神経外科、神経内科と連携をとって、頭部MRIやSPECT(脳血流シンチ)を必要に応じて行います。詳しくお話を伺うと、「認知症」と他院で診断されていたものが、うつ病の認知機能の低下であったといことが日常臨床で多くみられます。また、認知症の周辺症状として様々な精神症状をきたすこともあります。認知症の症状に対して、現在ではさまざまな薬がありますが、認知症の現れ方が人によって違うように、皆が同じ症状に同じ薬をのんで効くわけではありません。また、効き目が出るまでの日数も様々です。本人も周りの人々も、「飲んでいるが効かない」とすぐにあきらめてしまわずに、根気よく続けることが大切です。また、「言われたとおり飲んでいるが本当に効いているのだろうか」と不安になることもあると思いますが、不安で飲むのをやめてしまう前に、遠慮せず医師に相談してみましょう。


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